2020年10月5日

財布・長財布

皆さま、こんにちは。鞄工房山本 mori です。
お財布を選ぶ時、皆さまは何を基準に選ばれるでしょうか?
デザイン?素材?機能性?他にも丈夫さや価格など、気になる点はたくさん。
どれもお財布選びに重要なポイントですが、その中でも今回は鞄工房山本でつくるお財布の「素材」についてお話したいと思います。

素材のお話

革財布の種類は牛革や馬革、豚革が一般的ですが、山羊や羊、ワニ、ヘビ、ダチョウ、ゾウなどたくさんの素材が存在します。変わったところで、カメやサメの革も!
その中でも鞄工房山本で扱っているのは「鹿革」と「ブライドルレザー(牛革)」の2種類。
皮革によって質感や耐久性など、それぞれに特徴がありますが、どちらも経年変化も楽しみながら永く愛用していただきたいおすすめの素材です。

レザーのカシミアとも言われる高級素材の鹿革

鹿革小物

赤ちゃんの肌のように柔らかでやさしい肌触り。人肌に最も近いとも言われている鹿革は使い込んでいくうちに、まるで素肌のようになめらかに馴染んでいきます。しなやかで、柔軟、かつ丈夫な鹿革の特徴をまとめてみました。

  • レザーのカシミアと称されるほどの高級素材で人肌に近い肌触り。
  • 自然な柔らかさとしっとりとした触り心地で、使い込むほどに手に馴染んでいきます。
  • 古くは奈良時代から使われており、正倉院の宝物にも鹿革が残されているほど丈夫。軽量で通気性が良く、吸水性や保湿力が高いのも鹿革の特徴。
  • 非常に細かい繊維が密に絡んだ層でできているため、伸縮性に富んでおり、柔軟で型崩れしにくい。
  • 経年変化は目に見張るものがあり、コードバンに匹敵するほど!

ちなみに、牛や馬などの一般的な革は時間とともに馴染んで革が伸びることがあっても、伸びた革が縮んで戻ることはありません。でも、鹿革の細い繊維は高密度で絡み合った層でできているため、一度型崩れしたように見える製品も、形を整えて時間を置くとある程度形状が戻ることも!
あまり馴染みはないかもしれませんが、実は天然の鹿革は軽くて柔軟性があり丈夫な革なのです。

経年変化による風合いの違いを感じていただけるよう、販売用の商品と過去に店頭でサンプル品としてお出ししていた商品を並べて撮影してみました。時間の経過とともに色味や風合いが変化し、ツヤも出て、味わいのある雰囲気に変化しているのがわかります。
紺藍(左が新品、右が店頭サンプル品です)

紺藍の長財布

紺藍の長財布内装

生成り(左が新品、右が店頭サンプル品です)

生成りの鹿革

赤銅色(奥が新品、手前が店頭サンプル品です)

赤銅色の鹿革

鹿革のお手入れについてはこちらから <AFTER CARE(アフターケア)>

強度と耐久性を誇るブライドルレザー

トリフォールドレザー三つ折り財布3種

馬の手綱や、馬勒を意味するブライドル(Bridle)。ブライドルレザーはもともと馬具用の革として使われていた、ヌメ革に蜜蝋などのワックス成分を塗り込み馴染ませた革のこと。
ワックス成分を塗り込むことによって“ブルーム”と呼ばれる白い粉が表面に表れるのが特徴で、ブルームは使うほどに馴染み、美しい光沢が増していくブライドルレザー。そんなブライドルレザーの気になる特徴もまとめてみました。

  • 繊細でキメ細かくツルツルとした美しい表面。
  • もともと馬具用として使われていた革のため、硬さとハリがあり型くずれにも強い!
  • ブライドルレザーの証であると言われている「ブルーム」が革の質を上げてくれる。
  • 上品でアンティークな風合いと重厚感があり、ビジネスシーンにもぴったり。
  • 何度もロウを塗り込んで繊維を引き締めているため耐久性が高く、丈夫で長持ちする。
  • 使い込まれたブライドルレザーは深い光沢や風合いが出て、独特の経年変化を楽しめる。

最大の特徴はやはり、表面の白い粉のようなbloom(ブルーム)。
鞣し終わった革に10週間以上かけて、職人が丁寧に何度も何度も蜜蝋などのワックス成分を染み込ませた結果で、染み込んだ成分は革の繊維を引き締め、堅牢度が増し耐久性も高まります。
ブルームの醸し出す重厚感は印象的ですが、それが表面からとれた後も使い込むうちに革の油分とロウが艶を増し、色も深まっていく、他の牛革とは一線を画す美しさ。
硬さがあるので、馴染むのに時間はかかりますが、長く育てていくのも楽しみの一つ。経年変化を思う存分楽しんでいただける素材です。

鹿革の商品と同じく、販売用の商品と過去に店頭でサンプル品としてお出ししていた商品を並べて撮影してみました。
左が新しいもの、右が店頭でサンプル品としてお出ししていたものです。ブルームが取れてツヤが増しているのが分かるでしょうか。革が馴染んでより手に馴染み、厚みも新品のものと比べると少し薄く変化しています。
左が新品、右が店頭サンプル品です。

トリフォールドレザー三つ折り財布2種

トリフォールドレザー三つ折り財布横

「鹿革」と「ブライドルレザー」、お財布の種類もいろいろ。

鞄工房山本で扱っている「鹿革」のお財布と「ブライドルレザー」のお財布をタイプ別にご紹介。
どの商品もシンプルな作りですが、それぞれにこだわりが詰まった高級感ある逸品です。
男性の方も女性の方も、性別や年齢を問わず長く使っていただけるギフトにもオススメのアイテムをぜひ。

鹿革のお財布

鹿革のお財布は全4種類。シンプルなデザインでスマートな束入れと小銭入れ付きのお財布がございます。豊富なカラーも選ぶ楽しみの一つ。
※当店の鹿革製品はすべて、創業130年を超える老舗タンナー「藤岡勇吉本店」の鹿革を使用しています。職人が作り上げた、その優しい色と質感を是非お楽しみください。

紺藍と赤銅色の長財布

長財布(小銭入れ付き)

シンプルなデザインと十分な収納力を兼ね備えた小銭入れ付きの長財布。
お札を入れる全幅ポケットが3つとカードポケットが8つ、ファスナーあきの小銭入れが付いていながら、薄型で使いやすいスマートなデザインはオールインワン派の方におすすめです。

長財布(小銭入れ付き)内装

長財布(小銭入れ付き)

商品ページはこちらから <長財布(小銭入れ付き)>8色展開・価格 39,600円(税込)

ラウンドファスナー長財布

収納がたっぷりあって中も見渡しやすい、こだわりの長財布。
見た目はスリムでシンプルなデザインですが、中には12枚入るカードポケットにお札入れが2つ、全幅ポケット2つ、小銭入れ付きと必要なものをしっかり収納可能。
あえて、小銭入れにはファスナーを付けず、クチを開くと内部全体をすぐに把握できるタイプです。

ラウンドファスナー長財布

ラウンドファスナー長財布内装

商品ページはこちらから
<ラウンドファスナー長財布>18色展開・価格 42,900円(税込)

束入れ

小銭入れが付いていない、お札とカードを収納するためのシンプルな束入れ。
カードポケットは12枚分と、鞄工房山本のお財布の中では最大枚数を収納可能。バイカラーに比べると革の使用量が多く、持った時によりもちもちしているのが特長です。
小銭入れとの組み合わせを考えるのも楽しみの1つ。

束入れ内装

束入れ

商品ページはこちらから <束入れ>8色展開・価格 39,600円(税込)

束入れ(スリム・バイカラー)

小銭入れが付いていない長財布のバイカラーバージョン。3つの全幅ポケットと8枚分のカードポケットといった十分な収納力はそのままに、よりスリムに持つことができる束入れ。
人とは少し違う、おしゃれなお財布を持ちたい方におすすめです。

束入れ(スリム・バイカラー)内装

束入れ(スリム・バイカラー)

商品ページはこちらから
<束入れ(スリム・バイカラー)>6色展開・価格 31,900円(税込)

ブライドルレザーのお財布

ブライドルレザーのお財布は、ブライドルレザーとソフト牛革を使用したBCシリーズの使えるコンパクトな三つ折り財布。
表面のほとんどにブライドルレザーを使用し、財布を開くと見えるソフト牛革のさりげないクラシックなバイカラーがポイント。無駄を省いたシンプルな形とデザインが魅力なメンズ・レディース問わず人気のお財布です。
※鞄工房山本ではイギリス、ブリストルで1840年に創業した歴史ある国内最大級の植物なめし革タンナーThomas Ware & Sons のブライドルレザーを使用しています。

BCトリフォールドウォレット3種

BC トリフォールドウォレット

上質なイギリス製ブライドルレザーとソフト牛革、それぞれの素材の個性を贅沢に楽しめるおしゃれな異素材コンビ。
手に収まる小さな三つ折り財布は、外付けでたくさん入る小銭入れやカードポケット、出し入れしやすい内側の札入れなど、サイズ感だけでなく使い勝手も兼ね備えたBCシリーズ自慢の逸品。

BCトリフォールドウォレット内装

BCトリフォールドウォレット小銭入れ

商品ページはこちらから
<BC トリフォールドウォレット>3色展開・価格 29,700円(税込)

以上、今回は素材についてのお話でした。「鹿革」と「ブライドルレザー」どちらがお好みでしたでしょうか?
どちらも長く使うことで経年変化を楽しんでいただける魅力的な本革素材。それぞれ風合いは異なりますが、使い込むうちに表面の艶も増し、自分で育てた革小物は愛着も増してゆきます。
日々使うものだからこそ、レザーの風合いや品質にこだわったお好みの商品を是非見つけて下さいね。