NENKE(ネンケ)の始まり

本来、革の良さを活かそうとすれば繊細になり、強く加工すれば手触りが損なわれるもの。この難題に光を当てたのは、長年ひたむきに革と向き合ってきた熟練の職人たちでした。厳選した原皮選びから、数十に及ぶ工程のすべてを職人の繊細な手仕事で繋ぎ、幾度も試作を繰り返して、ようやくたどり着いた理想の革が「NENKE(ネンケ)」です。

NENKEにとって、バッグは作られた時点で完成するものではありません。はじめて触れたその日から、ゆっくり暮らしに馴染み、あなたらしさが刻まれたとき、NENKEは本当の姿を見せてくれます。そんな「育てる喜び」を、ぜひその手で感じてください。

NENKEの革ができるまで

約50年の歴史を誇る姫路のタンナーのもとで、NENKEの革は生まれました。一つひとつの工程に心を込めて、じっくり丁寧に、そして細やかに。触れた瞬間に感じる、NENKEのやさしい肌触り。 その心地よさは、バッグという形になる前の「ありのままの表情」から宿ります。

1.原皮を漬け込む

最初の工程である、原皮の漬け込み。大きなドラムを回転させながら皮に独自配合の薬品を浸透させることで、バッグに最適な「しなやかさ」を引き出します。 NENKEのやさしい肌触りの土台となります。

鞣しのドラムでは、NENKE専用にオイルやワックスをブレンドした染料を用いて下染めしています。

「ウェットブルー」と呼ばれる、腐敗防止のクロム鞣し処理後の革。ここからタンニン剤を用いて鞣しを施します。

鞣しで用いられる植物タンニン剤。

2.革の乾燥

鞣し、下地染色ができた革を天井から吊して自然乾燥させます。時間をかけてゆっくり乾かすことで、革のありのままの魅力が育まれていきます。※写真はNENKEのブラック、ダークブラウンの下地。

3.オイル塗布

下地の乾燥後、「ロールクォーター」という大型機を用いて、オイル塗布の加工をおこないます。手に吸い付くような、しっとりとした質感を生み出します。

4.染色

オイル塗布後、大型のスプレー機器を通して革のトップ(表層)を染色します。この工程では単に染めるだけでなく、しなやかさ・撥水性・経年後の艶出し・色止めを複合的に組み合わせた香久山鞄オリジナルレシピの染料を使用しています。また、NENKEの革は顔料を一切使わない「染料仕上げ(アニリン仕上げ)」になります。

染色後に、乾燥した革の色艶の加減や堅牢度をチェックします。写真の中央は表面を擦った跡です。

5.プレス加工

染色・オイルなどの加工が済んだ革をアイロンプレス機に通して、肌の凹凸を整えます。革の特性、機械の温度、圧力、通すスピードなどの組み合わせによって風合いが変化します。NENKEならではの「なじむ質感」を決定づける、大切な工程です。

6.完成

しっとりとした手触り、弾力のあるコシ、深みのあるカラー。使うほどに色艶が深まる、香久山鞄オリジナル、NENKEの革が出来上がりました。

NENKEのバッグを手にした瞬間から、ともに日々を歩む物語が始まります。時を重ねるほどに深まる風合いは、世界にひとつだけの表情へと育っていきます。 NENKEとともに、豊かな時間をお過ごしください。