2018年12月28日

リュックサック

皆様こんにちは。鞄工房山本の二見です。
11/9 から始めた革製品ブログ、今年最後の投稿となります。
ご愛読ありがとうございました。来年も引き続き、お手すきの時にこのブログに目を通していただければ嬉しく思います。
ランドセルを作ってきた会社が新規事業を立ち上げる実録のような面もあるこのブログ。ECサイトを立ち上げる方々の参考に……はなりにくいかもしれませんが。

せっかく貴重な時間を割いて読んでいただいているので、毎回読み物として面白くなるように続けていきます。
それから、ちょっとでも皆様のお役に立ちますように。

2019年1月は鞄工房山本の 革製品 Web サイトオープン! 大いなる展望が。

バイカラー名刺入れ

↑ 今年 11/22 から3店舗(奈良本店・銀座店・表参道店)で販売を始めた鹿革小物。来年も随時新色を追加していきます。お楽しみに。

明日の 12/29 から、2つの工房は8日間、奈良本店を含めた3店舗は7日間のお休みをいただくことになりました。
聞いたところによると、製造業と小売業を兼ねている日本の企業としては、長めの休みだそうです。ありがたいことです!

がしかし!
単純に比べるのは酷とはいえ、ヨーロッパの製造業は夏2週間~1か月、冬は少なくともクリスマスから 1/3 くらいまで休みます。
で、数年前のあるときフランス人の同僚から言われたのが……。「日本人って本当に休むの下手だよね。
だからフランスのほうが日本より時間当たりGDPも一人当たりGDPも上回ってるのさ。」
曰く、休まないから仕事の生産性が落ちている。これに対する返事は、できず。敢えて死語で言うなら

「ギャフン」

でございます。
でもなんだかやたら悔しかったのは愛国心ってやつなのか。それともただの負けず嫌いか。
それとも相手の言い方が感じ悪かっただけなのか。

まあ、ちょっとずつ……昔と比べたら休むようになったのでしょうか、日本人も。ニュースを見ているとまだまだな気はしますが。
この会社だけでなく、日本の革産業が盛り上がって、輸出されるようになって、雇用の増加にもつながって、皆がちゃんとお休みもとれるようになりますように。

というのが私の願いです!
1年間では無理な話なので、来年の目標、というよりはここ数年で、ということで。

天岩戸神社

↑ 努力を惜しまず、でも神様にお願いするのもお忘れなく。奈良は歴史と趣ある神社仏閣の宝庫(?)です。ここは竹やぶも印象深い天岩戸神社。

来年の予定に入っていることの中で、
以前オリジナルのビジネスバッグをほんのちらっとお見せしました。

当たり前というか、見たまんまですが、小物と比べるといきなり部品の種類が増える!見えないところでは芯というか、補強材。
それから、デザインによっては金属部品も増えるのですそういえば、金属部品の名前って業界用語と言いますか、他業種の人にはなんのこっちゃわからん。
いくつかを、多言語でどう呼ばれているかも含めてご紹介しつつ、冗談抜きのまじめな内容で今年を締めくくってみたいと思います。

革製品業界のボキャブラリー

ビジョー

オダギリジョーとは関係なさそうです。漢字で書くと、「美錠」。
念のために付け加えておくと、宍戸錠とも関係ありません!これは実はバックルなのです。
ランドセルの肩ベルトにも使われています。

(EN) buckle/ (FR) boucle/ (IT) fibbia

美錠

カン

丸カン/角カン/D カン……
カンカンカンカンうるさいな!

すみません!

カン、はカタカナで書く人が多く、その次にひらがなをよく見かけます。漢字で、となると管・環両方見たことがあります。
ところが Wikipedia を今更見ると、
「鐶」。
なるほど~。これは一番しっくりきますね。
「管」と書かれていると、チューブ状の金属を曲げて部品を作ったのが想像されます。「環」は全体の形が「環(輪)」になっているので、
ものの説明としては成立している気がしていました。でも「鐶」は意味がはまるのみならず、バックルを「美錠」、
と呼ぶ人々のロマンティックさを感じてしまいます。ちなみに英語では「鐶」は ring となって、D カンが D-ring、角カンは square ring となります。

はい、いまちょっと逃げました。
丸カンは?“round ring”!?  丸い丸、みたいですね。
ring でよいみたいです。

D カンでいうと各国……
(FR) anneau ? D/ (IT) anello a D

Dカン

↑ D カンは前回「
ついに鹿革じゃない革小物が登場!? 小学生から、大人まで。ランドセルとお揃いの……
」にパスケースとランドセルに付けられてたくさん登場していました。

ナスカン

ナス、は本当に茄子に形が似ていることが由来。なので漢字で全部書くと茄子鐶。ひゃー。
なんだか強そうです。

(EN) snap hook/ (FR) mousqueton/ (IT) moschettone

ナスカン

事故防止の機能として、無理な力がかかるとひとりでに外れて、お子さんを守るようになっているのです。

引手

ファスナー(ジッパーという方もあり、チャックとおっしゃる方もあり)の「引っ張り」のことです。

スラス、とも呼ばれています。もう一つ「ラ」を語尾に足したくなるような。シラスが訛ってしまったような。

(EN) pull/ (FR) tirette/ (IT) tira lampo
こうやって見ると、各国とも「引くやつ」みたいに言っています。

イタリア語の lampo はファスナーのことですが、Lampo という大きなファスナーの会社があるので、えーと、どちらが先なんでしょうね。
イギリス人がティッシュのことをクリネックスと呼ぶようなものでしょうか。日本で言うと……うまい例が思い浮かびません。何かあるんですけど。

ファスナー

↑ こんなかわいい引手もあるのです。

スラス、はもしかして「スライダー」からきているのでしょうか。でも正確には、スライダーとはその下の台座のことです。
勢いあまって、長くなってしまいました。まだまだありますので、2019年に持ち越すテーマとして、続きをお楽しみに!

蕾

↑ 冬の木を写真に撮ろうと思ったら、しっかり蕾が出番待ちでした。それでは皆様、よいお年をお迎えください。

鞄工房山本 二見