帆布ビジネストート

こんにちは、革と帆布のかばん専門店 香久山鞄店のスタッフよちこです。

今回ご紹介したいのはビジネストートバッグです。それもただのビジネストートじゃないですよ。革と帆布を組み合わせたビジネストートバッグ。
革と帆布のビジネスってちょっと珍しいですよね。でも、このトート珍しいだけじゃありません。秘められたビジネスポテンシャルは計り知れないものがあります。
使い方次第では通常のビジネスバッグでは得られない特別な効果が得られるかも!?

軽くておしゃれな帆布ビジネストートバッグです。

レザートート

素材は革と帆布だけ。この潔さ。

たくさんのものが収納できて中身がサッと取り出せるトートバッグは、1つあればお仕事用のビジネスバッグとしてなにかと役に立ちます。

革のビジネストートはおしゃれですね。カッコイイですね。でも重たい。だって革だから。この重さは宿命的ですらあります。
ナイロンのビジネストートは軽くて便利だけど、いささか素材感と高級感に欠けます。

そこで帆布バッグの専門店である香久山鞄店が、おすすめしたいのが帆布トートバッグという第3の選択肢。革と帆布素材のバッグなら任せとけ。

あえてちょっとスキを作る。帆布ビジネストートのやり方。

お仕事に使える堅実なシルエットでありながら、どこかマイルド。
七子織りのキャンバスに革のトリミングを施すことで、上品かつジェンダー・フリーな雰囲気が漂うビジネストートバッグに仕上げました。
たとえばニットウェアなど、ちょっとゆるめスタイルにもバッチリ使えてしまうデザインです。ひと言でいえば、とても優しいバッグです。

レザートート

帆布ビジネストートの真髄は、優しさにこそあり。

レザーのトートバッグのようなギンギラギンのデキる感を出さずして、革と帆布が、さり気なく和やかに、なんかデキるわムードを醸し出してくれます。
プレゼンの資料、設計図面、契約書など、このトートバッグから取り出しますと殺伐とした空気はたちまち雲散霧消。そこには優しい世界が広がること間違いなし。

ピリピリムードでコワモテの交渉相手でさえも、「帆布ですまんな」→「ええんやで(ニッコリ)」そんな無言の会話が成立しそうな勢いです。たったバッグ1つで!
クライアントとさらに一歩進んだ信頼関係を築くためには、あえてこちらから、ふわっと優しいスキを作るくらいが丁度いい。

そんなわけで、優しい佇まいの裏に、したたかな戦略とおしゃれさを備えた帆布ビジネストートなのであります。

トスカーノリスシオにちょっと目覚める。

最近のバッグに使われている革は、コスト一辺倒でどうにも安っぽいモノが増えております。そこそこの値段でも合皮と区別がつかないものだったりすると、けっこう悲しい。
が、こちらのトートバッグは違うのだ。付属革だけの部分使いではございますが、けっこうツッパっております。
なんせ革の名産地イタリアはトスカーナ州で作ったトスカーノリスシオレザーを使用しています。ではこの革、トスカーノリスシオはいったい何が凄いのか。

帆布ビジネストート

近年まれにみる良質の革でした!

職業柄、いろんな革製品や皮革を目にするせいか、すっかり目が肥えてしまったよちこ。
目利きのボディマス指数は日本肥満学会が肥満と定めるBMI25を突破し、77を超えてしまっております。

デブいよ、BMIの数値が未来の世界の猫型ロボット並だよ。今後は語尾にブーつけてもいいくらいだ。
そんなブー太郎よちこも、この革を見たときには背筋に電流めいたものが走りました。

コンチェリア 800(オット チェント)社のダブルショルダーレザー。

本製品の付属革には、イタリアのトスカーナ州にあるコンチェリア 800(オット チェント)社で製造されているダブルショルダーレザーを使用しています。
ダブルショルダーとは肩の部分を使った革です。ヨーロッパでは部位ごとの裁断スタイルが主流で、両肩部分が入った状態で裁断しますのでダブルショルダーと呼ばれます。
同社は主にフランス原皮を使用し、トスカーナ地方の伝統的な技法であるバケッタ製法を用いたタンニン鞣し一筋のタンナーです。

何やら意味不明な言葉がぞろぞろ出てきました。ってことで解説せねばなるまい。

イタリア伝統のバケッタ製法について。

説明しよう!バケッタ製法とは、植物性タンニンで時間をかけて鞣した革に、牛骨などを煮沸して採取した「牛脚油」を時間をかけて加脂していく製法のことである。
と富山敬っぽく説明してみたものの、ぜんぜん説明になってないことにいま気がつきました。え、そもそも富山敬って誰ですって。タイムボカンのナレーションですよ。あとはさくら友蔵とヤン・ウェンリー。

トミーのことはさておき、オイルバケッタはトスカーナ州に伝承されている古典的な皮革製法ですが昔ながらの作り方で、めちゃくちゃ手間と時間がかかります。

ともかくこの製法で作られた革は、革の中に油脂成分をしっかり留めているため、コシがありながら滑らかで手に吸い付くような手触り感を併せ持ちます。
これがバケッタ製法で作った革のいいところ!また見事な経年変化(エイジング)を見せてくれるのも特徴です。使うほどに革の地艶と風合いが深まってまいります。
やっぱりイタリアの革だよね、という言葉が自然と湧き上がるというもの。でもね、ものすっごく高いんですけどねこの革!

帆布ビジネストートの革ハンドル

たとえばこのハンドルを見てください。革を重ね合わせたうえにコバを磨き込んで仕上げています。
このビジネストート、ハンドルの磨きを丁寧に、時間を掛けて何度も何度も丁寧に仕上げていることがお分かりになるかと思います。

角のあたりなんか、トコトン磨き込んで仕上げているわけで、たいへんな手間と時間がかかる作り方です。
これを単純作業で形だけなぞってササッと終わらせるか、それとも心を込めて作るかで仕上がり・出来栄えは大ちがいです。
もちろん植物タンニンでなめしたバケッタレザーでないとここまでの艶感や質感にはなりません。

このバッグを作っている人。手作業でひとつひとつ製作する鞄職人の下田さん。

帆布ビジネストートの革ハンドル

とにかく丁寧で親切で穏やか。こころ優しいおひげダンディズムなナイスガイ。丁寧な仕事で質の高い鞄を作ってくれる新進気鋭の鞄職人さんです。

デザイン、型紙、裁断、縫製まですべての工程を、ひとつひとつ手作業で製作している下田さん。
手作りで製作した商品からは、作り手の技術や、商品に込める思いがどういったものなのかが反映されます。
楽しく、わくわくしながらも、丁寧に作ることを心がけ、商品からそれらの思いが伝わるような手仕事を目指しているとのこと。

製品や作品って職人さんの性格が出るんだなぁと、今回の件でしみじみと実感しました。香久山鞄店は下田さんの手仕事を全力で応援いたします!

今回登場した商品はこちら。