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長く使える王道の帆布リュックを
このリュック/バックパックを作るにあたって真っ先に考えたのは、とにかく飽きることなく、長く使えることでした。
どんな丈夫な素材であっても使っていくうちに、ダメージは蓄積されます。やがては色あせてボロボロ、みすぼらしくなります。 だったら使っていくうちに経年変化の味わいが感じられるようにすればいい、という逆転の発想にたどり着きました。この帆布、ぼろっちくなってからがいよいよ本番であります。
何度も試作が繰り返され、原型ができるのに約3年、およそ1,000日にも及ぶ歳月が費やされました。1,000日かけて作ったので、センニチ(千日)帆布。1,000日といわずにしぶとく、ずっと長く使い続けてほしいと思います。こうして素材、構造、機能。あらゆる面から頼りがいのあるタフさと機能美を追い求めて完成したのが、センニチ帆布のバックパックです。
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苔のむすまで使い込めるセンニチ帆布
センニチ帆布にはパラフィンとオイルによる特殊な加工が施されており、使っていくと生地に独特のチョークマークやアタリが生じることで、すばらしい経年変化をもたらします。 使うほどに凄みが出る丈夫な素材です。傷んでも、むしろかっこいいのです。
船乗りのコート、モーターサイクルジャケット、ハンティングジャケット、過酷な環境で使われ続けた道具がこの生地のルーツとなります。 ですが、オイルの匂いとかベトつきとかはご遠慮したいところです。古き良き時代の作り方をリスペクトしつつ日用品として使いやすいようアレンジしてます。
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センニチ帆布を本当に1,000日使ってみた
どれだけ凄いかいっちょ試してやろうじゃないか。ということで実際にオリーブドラブのセンニチを1,000日使ってみました。 いつしかチョークマークすらも消えたその勇姿に対して、香久山鞄スタッフが無意識のうちにとっていたのは“敬礼”の姿であった。涙は流さなかったが、無言の男の詩(うた)があった。とかそんなモノローグが入りそうな佇まいです。
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千 VS 零 新旧対決
手前が1,000日使ったセンニチのパイセン。奥が新品未使用のセンニチ、つまりゼロニチであります。
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耐え難きを耐える超撥水性
本製品の帆布には、『撥水パラフィン加工』と『オイルド加工』の二重撥水加工を施されています。撥水パラフィン加工とは生地にロウを含浸させて、撥水性を高める昔ながらの伝承的技法です。
さらにダメ押しともいえる撥水オイルド加工。オイルとパラフィン、2つの重ねがけによって実用的な撥水性を得ることに成功しました。
※完全な防水を保証するものではありません。ご使用条件によっては浸水の恐れがございます。
※オイルパラフィン生地の特性上、水分が付着した際に生地のオイル成分と反応して一時的に白化が生じる場合がございます。時間経過や乾燥とともに元通りに復元し、消えてまいりますのでどうぞご安心ください。
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雨を凌ぐ、むてき守りデザイン
浸水しやすいウィークポイントとなるのは開閉部分、すなわちファスナーです。水はわずかな隙間からでも浸水してきます。 今ではゲリラ豪雨なんて名付けられるほど、想像を絶する降り方をいたします。防水性を持たないファスナーは格好の餌食です。
当初は止水ファスナーなども検討しましたが、止水ファスナーには使っていくうちに止水テープが劣化していくという脆弱性がありました。
このリュックは、ファスナー部分を覆ってくれる”屋根”のような構造を設けることで水を遮断しております。 完全にマスキングするのではなく必要な部分のみを覆い、内側にスキマを作ることで空間を有効活用。 これは日本の木造家屋の「軒(のき)」や「庇(ひさし)」より着想を得ております。またファスナーを覆い隠すことで防犯性にも一役買っています。
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快適収納できる4LDKポケット
フロントポケットは開閉口がL字型になっており、4つのオーガナイズポケットが備わります。広々したリビングにはA4ファイルや長財布などが収納可能。もはやちょっとしたバッグなみの収納力を誇るポケットです。
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ノートPC収納ポケット
13インチのノートPCが収納できるPCスリーブを収納の背面側に標準装備。ウレタンクッション入りで安心です。帆布リュックでここまで作り込んだ製品は、まず無いのでは。
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とっても簡単ワンプッシュ開閉
PCを収納するポケットは樹脂製のバックルで開閉できます。止めるときはバックルをカチッと差し込むだけでOK。外したいときにはバックルの真ん中部分を軽く押すだけで簡単に外せます。
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冬季バリエーションルート開拓
リュック後方からアタックする別ルート。魔のクレバス的ファスナーポケットがございます。ファスナー側のPCポケットの一辺は開放されており、PCポケットとメイン収納どちらにもアクセス可能。先に説明した上端の角にあるクイックリリースバックルによって固定されている仕組みです。この構造を職人に理解させるために何パターンかの図面を必要としました。バリエーションルートの開拓はつねに困難を伴います。
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蒸れよさらば、いつでも快適な通気性
背当て部分には通気性に優れるダブルラッセル生地を採用しております。温帯湿潤気候から亜熱帯に近づきつつある日本で働くのであれば、もはやこの装備は常識。さらに、ご注目いただきたいのが肩ベルトの付け根部分です。本体と肩ベルトをつなぐ接続部分ですが、肩ベルトの付け根部分にバータック縫製を4箇所入れて補強をおこない、耐荷重性と耐久性を向上させています。
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サイドポケット付き
折り畳み傘やスリムボトルの収納にうってつけ。がっかりさせない期待に応えて素敵で楽しいサイドポケットをつけました。
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チェストストラップを搭載
ユーザー様から付けてほしいとのお声をいただいたことから、チェストストラップをう。チェストベルト、チェストハーネスなど呼び方はいろいろありますが、自由に呼んで下さい。これで荷物満載のバックパックを背負っても肩のベルトが外に広がらず、ズレることがないので安定感もバッチリです。おまけに体感重量も軽く感じることができると、いいことずくめでございます。
ベルト調整の金具は銅めっき+黒ダール仕上げのGIバックル(ハシゴコキ)を使用しています。GIバックルといえば無段階調節でガチャガチャするウェストベルトをイメージしますが、ハシゴコキ金具にも同じ名前があるみたいです。使い込んでいくとダールブラックの黒染めが削れて銅の被膜が見えてまいります。この使い込んだ道具のスクラッチ感がたまりません。
カラーバリエーション
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チャコールブラック
”いろんなスタイルに合う”という期待に応えてくれる大人の色チャコールブラック。ベレッタのような渋い鈍色です。マクレーン警部が拾ったのは92FS、チョウ・ユンファは92Fです。Tシャツ+パンツぐらいゆるい格好にも似合います。そんな緩さの中にも、凛としたシメ感が入ります。2丁拳銃でキメてください。
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オリーブドラブ
「暗い灰みの緑みを帯びた黄」であるオリーブドラブはどこまでも自然と馴染むので、取り入れやすい定番のカジュアルカラーです。 コントラストが強くなりすぎず、大人っぽい自然派トーンにまとまります。